関節リウマチの人が食べてはいけないものは?食生活のポイントも解説
2025年11月28日

関節リウマチには「絶対に食べてはいけないもの」は基本的にありませんが、薬の効果や副作用に影響を与える食品・飲料は存在します。
知らずに摂取し続けると治療の妨げになったり、症状が悪化したりすることがあるため注意が必要です。
この記事では、関節リウマチの方が注意すべき食品や飲み物、日々の食生活で意識しておきたいポイントについて解説します。
関節リウマチに「食べてはいけないもの」はある?

関節リウマチには「絶対に食べてはいけない」とされる食品はありません。
現在の医学的知見では、特定の食品がリウマチの原因になる、あるいは症状を悪化させるという科学的根拠は確認されていないからです。
たとえば「肉類を食べると炎症が強くなるのでは?」と心配する方もいますが、実際にはそのような因果関係は認められていません。むしろ必要な栄養素を制限してしまうと、筋力低下や体力不足につながる恐れがあります。
関節リウマチの食事管理で大切なのは特定の食品を避けることではなく、栄養バランスの取れた食生活を続けることです。主食・主菜・副菜を組み合わせ、過不足のない食事を心がけましょう。
関節リウマチの方が注意したい食品・飲料

以下の食品・飲料は、関節リウマチの薬の効果や副作用に影響を与える可能性があります。
- 葉酸を多く含む食品・飲料(青汁やサプリメントなど)
- グレープフルーツ
- カフェインを多く含む食品・飲料(コーヒーやチョコレートなど)
- 脂肪分・糖分が多い食品・飲料(揚げ物やスイーツなど)
- アルコール飲料
すべてを制限する必要はありませんが、知らずに摂取し続けると治療効果が下がったり、副作用のリスクを高めたりすることがあります。
それぞれの食品や飲料について、詳しく見ていきましょう。
葉酸を多く含む食品・飲料(青汁やサプリメントなど)
葉酸を多く含む青汁やサプリメントは、関節リウマチの方が注意すべき食品です。
葉酸を過剰に摂取すると、リウマチ治療に使われるメトトレキサートという薬の効果を弱めてしまう可能性があります(※1)。
たとえば、青汁や葉酸サプリを日常的に多く摂取する方は、薬の効き目が下がり、関節の炎症や痛みを十分に抑えられなくなる場合があります。
ただし、ほうれん草や枝豆、レバーなど、通常の食事から摂る葉酸については心配ありません。一般的な食事量であれば、薬の効果に影響することはないとされています。
(※1 参考)日本リウマチ学会|メトトレキサートを服用する患者さんへ
グレープフルーツ
免疫抑制剤(タクロリムスやシクロスポリン)を服用している方は、グレープフルーツに注意が必要です。
グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分が薬の代謝を妨げることで、薬の血中濃度が高くなり、副作用のリスクを高める可能性があります。
ただし、すべての薬で問題になるわけではありません。メトトレキサートやステロイドなど、ほかのリウマチ薬には影響がないため、過度に心配する必要はありません。
グレープフルーツを食べてもよいかどうか心配な方は、主治医に相談しましょう。
カフェインを多く含む食品・飲料(コーヒーやチョコレートなど)
カフェインの過剰摂取は、リウマチ治療に使われるメトトレキサートの効果を弱める可能性があるため注意が必要です。
カフェインはアデノシン受容体を阻害し、メトトレキサートの抗炎症作用を妨げると考えられています(※1)。
ただし、普段の生活で飲む程度のカフェインなら、メトトレキサートの効き目に大きな影響はありません(※2)。目安としては、1日1〜2杯程度のコーヒーであれば問題ないといえます。
脂肪分・糖分が多い食品・飲料(揚げ物やスイーツなど)
副腎皮質ステロイドを服用している方は、脂肪や糖分の多い食品を控えることが大切です。ステロイドの影響で体重が増えやすくなり、血糖やコレステロールも上昇しやすいためです。
副腎皮質ステロイドには、血糖値と体内脂質(コレステロールや中性脂肪)を上げる作用があります。また、副腎皮質ステロイドは食欲を増進させるため、高脂肪・高糖質の食品を好む傾向が強まります。
揚げ物やスイーツを習慣的に食べ続けると、生活習慣病のリスクが高まるだけでなく、関節リウマチの症状悪化につながる可能性もあるため注意が必要です。
アルコール飲料
メトトレキサートを服用している方は、アルコールを飲みすぎないことが大切です。
アルコールもメトトレキサートも肝臓で分解されるため、肝臓への負担が増え、副作用である肝機能障害のリスクが高まります。
イギリスの研究では、メトトレキサートを服用している方のアルコール摂取量が週21単位を超えると、肝機能障害のリスクが高まることがわかっています(※1)。なお、1単位はビールでは中瓶1本、ワインではグラス1杯が目安です。
週14単位未満の飲酒ではリスク上昇は見られませんでしたが、飲酒の可否や適量は人によって異なるため、必ず主治医に確認しましょう。
喫煙者はリウマチを発症しやすく、治療効果も出にくい

喫煙は関節リウマチを発症しやすくするだけでなく、治療薬の効果も下げてしまう二重のリスクがあります。
スウェーデンで行われた研究では、20年以上の喫煙歴がある人は非喫煙者に比べ、関節リウマチを発症するリスクが1.7~1.9倍高いと示されました(※1)。喫煙量が1日6~9本程度でも影響があり、禁煙後も10〜19年間はリスクが残ることが確認されています。
また、早期リウマチ患者を対象とした研究では、喫煙者は非喫煙者に比べ、メトトレキサートやTNF阻害薬の効果が低いことも報告されています(※2)。
関節リウマチの方が食生活で意識しておきたいポイント

関節リウマチの方の食生活では、以下のポイントを意識することが大切です。
- 栄養バランスの取れた食事を心がける
- 良質なたんぱく質をしっかり摂取する
- 炎症を抑えるオメガ3脂肪酸を摂取する
- カルシウムとビタミンDで骨を守る
- 体重管理で関節の負担を減らす
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
栄養バランスの取れた食事を心がける
関節リウマチの方の食生活は、主食・主菜・副菜を揃えた栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
栄養が偏ると免疫力が低下し、体調不良の原因になるからです。とくに関節リウマチの方は炎症や薬の影響で体力を消耗しやすいため、食事から幅広い栄養素をしっかり補う必要があります。
良質なたんぱく質をしっかり摂取する
関節リウマチの方は良質なたんぱく質を意識して摂ることが大切です。
関節リウマチの方は炎症や活動量の低下によって、筋肉が減りやすい傾向にあるからです。筋肉が減ると疲れやすくなり、日常生活の動作にも影響が出やすくなります。
たんぱく質の摂取量を増やすためには、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品などの高タンパク食品を毎食一品以上取り入れるのがおすすめです。たとえば朝食に卵やヨーグルト、昼食に鶏肉や魚、夕食に豆腐や納豆を組み合わせると、自然にたんぱく質を確保できます。
炎症を抑えるオメガ3脂肪酸を摂取する
関節リウマチの方は、青魚などオメガ3脂肪酸を含む食材を定期的に食べるよう心がけましょう。
青魚に多く含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、リウマチによる関節の炎症を和らげる助けになるからです。炎症を抑えることで、痛みの軽減や関節機能の維持にもつながります。
具体的には、サバやイワシ、サンマ、アジなどの青魚を週2〜3回程度食事に取り入れるのがおすすめです。魚が苦手な方は、えごま油や亜麻仁油など植物性のオメガ3脂肪酸をサラダやスープに加えるのもよいでしょう。
カルシウムとビタミンDで骨を守る
関節リウマチの方は、骨を守るためにカルシウムとビタミンDを意識して摂りましょう。
関節リウマチ自体の炎症や治療薬(副腎皮質ステロイド)の影響によって、骨粗鬆症のリスクが高まるからです。
牛乳やヨーグルト、小魚、大豆製品などからカルシウムを摂り、同時にビタミンDを含む魚類やきのこ類を取り入れるのがおすすめです。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、両方をセットで摂ることを心がけましょう。
体重管理で関節の負担を減らす
関節リウマチの症状を和らげるには、薬だけでなく日々の体重管理も治療の一部と考えることが大切です。
体重が増えると膝や股関節などへの負担が大きくなるため、痛みや炎症が悪化しやすくなります。
揚げ物や甘いものを控えてエネルギー過多を防ぎ、野菜やたんぱく質を中心にした食事を心がけましょう。
ただし、急激な食事制限は体調を崩す原因になるため避けるべきです。間食を減らす、夕食を軽めにするなど、無理なく続けられる範囲でのダイエットを心がけましょう。
関節リウマチと食事についてよくある質問

関節リウマチと食事についてよくある質問をまとめました。
Q.関節リウマチを改善する食べ物はありますか?
現時点の医学研究では、特定の食品が関節リウマチそのものを治す、あるいは確実に症状を改善するという科学的根拠はありません。
ただし、関節の炎症や痛みを和らげるサポートになる食べ物はいくつかあります。たとえば、青魚に含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸には、抗炎症作用があることが報告されています。
Q.栄養ドリンクは飲んでも問題ありませんか?
疲労時や食欲が落ちているときに補助的に飲む程度であれば問題ありません。
ただしカフェインが多い製品や、糖分を多く含むドリンクを毎日のように飲むと、睡眠の質の低下や体重増加につながる可能性があるため注意が必要です。
Q.白砂糖や添加物は関節リウマチに悪い?
白砂糖や食品添加物が関節リウマチを悪化させるという科学的根拠はありません。
ただし、砂糖を多く含む菓子類や清涼飲料水を摂りすぎると栄養が偏り、肥満や糖尿病のリスクが高まります。肥満は関節への負担を増やし、痛みや炎症を悪化させる可能性があります。
白砂糖や添加物を完全に避ける必要はありませんが、甘いものや加工食品はほどほどに楽しむことを心がけましょう。
まとめ
関節リウマチに「絶対に食べてはいけないもの」はありません。ただし、薬の効果や副作用に影響する食品・飲料(青汁や葉酸サプリ、グレープフルーツ、アルコールなど)には注意が必要です。
大切なのは特定の食品を制限することではなく、栄養バランスを意識した食生活です。たんぱく質・カルシウム・ビタミンDをしっかり摂り、体重管理を行うことで、症状の安定や治療効果の向上につながります。