関節炎(リウマチ以外)とリウマチの違いは?セルフチェック方法や類似疾患を紹介
2025年11月28日

関節炎(リウマチ以外)とリウマチは、似たような症状が現れるため混同されやすい病気ですが、原因や治療法は大きく異なります。
見分けを誤ると適切な治療が遅れ、症状が悪化するおそれもあるため注意が必要です。
この記事では、関節炎(リウマチ以外)とリウマチの違いやセルフチェック方法、間違えやすい類似疾患について解説します。
関節炎(リウマチ以外)とリウマチの違い

関節炎(リウマチ以外)とリウマチの違いは以下のとおりです。
| 関節炎(リウマチ以外) | 関節リウマチ(リウマチ) | |
|---|---|---|
| 定義 | 関節に起こる炎症の総称 | 自己免疫による関節滑膜の炎症 |
| 主な症状 | ・左右非対称の関節の痛み ・腫れ ・熱感 ・可動域の低下 |
・朝のこわばり ・左右対称の痛み ・関節の変形 ・倦怠感 ・腫れ |
| 主な原因 |
・外傷 ・加齢 ・感染 ・関節への繰り返し負荷 |
自己免疫(遺伝、喫煙、感染などがリスク要因) |
| 診断・検査 | ・画像検査 ・血液検査 |
・抗体検査(リウマトイド因子・抗CCP抗体) ・画像検査 |
| 治療法 |
・安静 ・薬(鎮痛剤など) ・手術 |
・抗リウマチ薬 ・注射薬 ・生活習慣改善 |
ここでは、それぞれの症状や原因、治療方法の違いについて詳しく解説します。
症状の違い
リウマチに見られる代表的な症状が「朝のこわばり」です。
目覚めたときに手指や関節が固まったように動かしにくくなり、解消するまでに30分以上かかることもあります。
また、リウマチは左右の同じ関節に痛みや腫れが出やすい傾向があります。免疫の異常が全身に影響を及ぼし、特定の関節だけでなく両側に同時に炎症を起こすためです。たとえば、右手の指が腫れていると、左手の同じ指にも痛みや腫れが出ることがあります。
一方で、変形性関節症や痛風などリウマチ以外の関節炎は片側だけに症状が出ることが多いため、リウマチとの見分け方のポイントになります。
原因の違い
関節炎(リウマチ以外)とリウマチは、原因がまったく異なる病気です。
関節炎(リウマチ以外)は、加齢による関節のすり減り、外傷、細菌やウイルスによる感染など、外的な要因が主な原因です。
たとえば、変形性関節症は軟骨がすり減ることで起こり、痛風は尿酸がたまって結晶化することで関節に炎症が生じます。
一方、リウマチは「自己免疫の異常」が原因とされています。自分の免疫が誤って関節を攻撃し、慢性的な炎症を引き起こすのです。その結果、関節の内側にある滑膜が腫れて炎症を繰り返し、やがて軟骨や骨を壊してしまいます。
診断と検査方法の違い
関節炎(リウマチ以外)はX線やMRIなどの画像検査が中心です。
たとえば、変形性関節症では関節のすり減り具合をX線で確認し、痛風や偽痛風では関節にたまった結晶を調べることで診断につながります。外的要因が原因であることが多いため、画像や物理的な変化をとらえる検査が役立つのです。
一方、リウマチは血液検査の結果が重視されます。リウマトイド因子や抗CCP抗体などの抗体を確認することで診断の精度が大きく高まるためです。
また、リウマチは血液検査に加え、症状や関節の腫れの数などを点数化する診断基準が用いられます。医師はこれらの検査結果を総合的に判断し、診断を確定します。
参考:針谷 正祥|1.ACR/EULARによる関節リウマチの 2010 新分類基準
治療法の違い
関節炎(リウマチ以外)とリウマチでは、治療の目的や方法が大きく異なります。
関節炎(リウマチ以外)は炎症や痛みを和らげることが中心です。湿布や痛み止めの服用、関節を休めるための安静やリハビリといった「保存的治療」で症状をコントロールします。
一方で、リウマチは免疫の異常そのものを抑える治療が必要になります。
放置すると関節が破壊されてしまうため、抗リウマチ薬(DMARDs)や生物学的製剤などを使って病気の進行を抑える「根本治療」が不可欠です。
リウマチを疑ったときのチェックポイント

| チェック項目 | |
|---|---|
| □ | 朝、手や指がこわばって動かしにくい |
| □ | ペットボトルのフタが開けづらい |
| □ | ボタン留めや紐結びなどの細かい作業がしにくい |
| □ | 歯ブラシや箸など、軽い物を持つのがつらい |
| □ | テレビのリモコンやスマホの操作がやりにくい |
| □ | 関節の痛みや腫れが左右ほぼ同じ場所に出る |
| □ | 親族に関節リウマチと診断された人がいる |
上記の項目にチェックが2つ以上入る場合は、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
リウマチは放置すると関節の破壊や変形が進み、日常生活に大きな支障をきたすおそれがあるためです。
初期のうちに治療を開始すれば、関節の破壊を防ぎながら症状をコントロールでき、仕事や家事などの日常生活をこれまで通り続けられます。
リウマチと間違えやすい他の病気

以下の病気はリウマチと症状が似ており、間違えやすいとされています。
- 変形性関節症
- 線維筋痛症(せんいきんつうしょう)
- 乾癬(かんせん)性関節炎
- 膠原病(こうげんびょう)
- 痛風・偽痛風
- リウマチ性多発筋痛症
それぞれの病気の特徴について、詳しく見ていきましょう。
変形性関節症
変形性関節症は加齢や関節の使いすぎによって軟骨がすり減り、関節に痛みや動かしにくさが生じる病気です。
軟骨がクッションの役割を果たせなくなることで、骨同士が直接ぶつかり、炎症や痛みを引き起こします。その結果、歩き始めや立ち上がりの動作で膝に強い痛みを感じたり、階段の上り下りがつらくなったりすることがあります。
炎症はリウマチと比較すると軽く、片側の関節に症状が出やすい点が特徴です。片側に軽度の痛みが続く場合は変形性関節症の可能性が高いといえます。
線維筋痛症(せんいきんつうしょう)
線維筋痛症は、全身の筋肉や関節の周囲に慢性的な痛みが広がる病気です。とくに首や肩、腰、太ももなどに強い痛みやこわばりが出やすく、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
原因はまだはっきり解明されていませんが、睡眠不足やストレス、ケガなどが発症の引き金になると考えられています。
リウマチとの違いは炎症や関節破壊がなく、症状が全身に及ぶ点です。リウマチと似た痛みを訴えることもありますが、関節の腫れや変形はなく、血液検査でも炎症所見はほとんど見られません。
乾癬(かんせん)性関節炎
乾癬性関節炎は、皮膚に赤い発疹が出る乾癬(かんせん)に合併して起こる関節炎です。
手足の指の関節や膝、股関節、脊椎などに炎症が起こり、進行すると関節の腫れや変形が見られることもあります。
リウマチと似た症状がある一方で、腫れが非対称に出ることや、皮膚の症状が先に現れることが多い点が特徴です。
リウマチに似ていて間違えやすい病気ですが、皮膚症状の有無や炎症の出方に注目することで見分けやすくなります。
膠原病(こうげんびょう)
膠原病は、全身の免疫異常によって関節や内臓に症状が現れる病気の総称です。
代表的な膠原病には、涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群や、顔に蝶形紅斑(ちょうけいこうはん。蝶が羽を開いたような赤い発疹)が現れる全身性エリテマトーデス(SLE)があります。
リウマチと同様に関節痛や腫れが出ることがありますが、膠原病では皮膚の発疹、口や目の乾燥、臓器障害などの全身症状が目立つのが特徴です。
痛風・偽痛風
痛風や偽痛風は、関節に結晶がたまることで激しい痛みと腫れを引き起こす病気です。いずれも急に強い関節痛が現れるため、リウマチと誤解されることがあります。
痛風は、血液中の尿酸が増えて関節内に結晶として沈着することが原因です。とくに足の親指の付け根や膝に起こることが多く、夜間や早朝に強い痛みで目が覚めるケースもあります。
一方、偽痛風は「ピロリン酸カルシウム」という結晶が関節にたまることが原因です。症状は痛風と似ていますが、血液検査では尿酸値の上昇が見られない点で区別できます。膝関節に発症しやすく、高齢者に多いことも特徴です。
リウマチ性多発筋痛症
リウマチ性多発筋痛症は、肩や腰の周囲に強いこわばりや痛みが出る病気です。50歳以上の人に多く見られます。リウマチと似た症状があるため、間違われることも少なくありません。
リウマチ性多発筋痛症の特徴は、関節ではなく筋肉に症状が集中する点です。朝起きたときに強いこわばりが出て動きにくくなり、着替えや洗顔など日常の動作にも支障をきたすことがあります。
リウマチとの大きな違いは、グルココルチコイド(副腎皮質ステロイド)を少量投与すると、症状が劇的に改善することです。
適切に治療を続ければ症状は落ち着きやすく、比較的良好な予後が期待できます。
参考:一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)|リウマチ性多発筋痛症(PMR)
関節痛は何科に相談すべき?
関節痛を感じたとき、最初に受診すべきは整形外科です。
整形外科ではレントゲンや血液検査によって、変形性関節症やケガによる痛みなど幅広い原因を調べてもらえます。
リウマチの疑いがある場合や、検査をしても原因がはっきりしない場合は、リウマチ科や膠原病内科などの専門的な診療科を受診しましょう。免疫の異常によって起こる関節炎や全身の症状について、より詳しい検査や治療が受けられます。
まとめ
関節炎(リウマチ以外)とリウマチは、症状や原因、検査方法、治療法が大きく異なる病気です。
関節炎(リウマチ以外)は加齢や外傷、感染など外的要因によるものが多く、片側の関節に症状が出やすいのが特徴です。一方、リウマチは自己免疫の異常が原因で、左右対称に関節が腫れ、朝のこわばりや関節破壊を引き起こします。
リウマチは放置すると悪化するため、セルフチェックで当てはまる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。また、リウマチと似た症状を示す病気も多いため、専門的な診断を受けて正しく区別する必要があります。
関節痛を感じたら、まず整形外科を受診し、必要に応じてリウマチ科や膠原病内科などの専門科を紹介してもらうようにしましょう。