主な対象疾患
関節リウマチ
手や足、膝などいろいろな関節が腫れて痛む病気です。腫れて痛む関節を治療せずに放っておくと関節破壊が起こります。
血液検査で患者さんの約80%がリウマトイド因子や抗CCP抗体が陽性になります。診断に際しては関節の診察や血液検査、X線検査を行いますが、当院では積極的に関節超音波検査を実施しており、早期診断の補助となっています。
診断が確定するとまずメトトレキサートなどの経口抗リウマチ薬で治療を開始します。近年の関節リウマチに対する治療の進歩は目覚ましく、メトトレキサートなどの経口抗リウマチ薬で効果不十分の場合には、当院でも生物学的製剤(注射)やJAK阻害薬(経口の新規抗リウマチ薬)を含めた治療を行うことにより、寛解(関節の痛みや腫れ、関節破壊がない状態)を目指しています。間質性肺炎などの肺疾患や感染症を合併しておられる場合も、当院では関節リウマチに対する最善の治療を心がけています。
リウマチ性多発筋痛症
この病気は「リウマチ」という名前はついていますが、関節リウマチとは異なる病気です。リウマチ性多発筋痛症は65歳以上の高齢者に多く認められる病気です。
症状では首、肩、背中、二の腕、臀部から太ももなど体の中心に近い筋肉の左右対称の痛みが特徴です。関節を覆っている袋(滑膜包)の炎症により、肩関節の痛みも現れます。肩、臀部、太ももの朝のこわばりが30分以上続き、また発熱、全身倦怠感、うつ症状を伴うこともあります。
血液検査では炎症の指標であるCRPの値が高くなり、症状が長く続くと貧血も認めます。当院で行なっている関節エコーは診断に大変有用で、肩関節のエコー検査を行うとリウマチ性多発筋痛症に特徴的な炎症の所見を認めます。
治療では少量のステロイド薬が著効します。効果が現れれば、ステロイドは徐々に減量します。
その他
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性強皮症
- 多発性筋炎/皮膚筋炎
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- ベーチェット病
- 血管炎
- 強直性脊椎炎
- 乾癬性関節炎