歯科口腔外科
総合病院としての特色を生かし、歯科治療の際注意を要する心臓病、肝臓病、膠原病、血液疾患、糖尿病、骨粗鬆症、化学療法中等の患者さんの、抜歯をはじめとする歯科治療や手術に際し、各科との綿密な連携により、基礎疾患の状況に応じた治療方針を立て安全かつ迅速に対応しています。
お口の中の保清が困難な患者さんに対しては、摂食嚥下機能の維持や口腔細菌に起因する誤嚥性肺炎等合併症予防のため病棟往診により専門的口腔ケアを行っています。
九州歯科大学口腔顎顔面外科および口腔内科・口腔外科の協力を得て、難治性口腔粘膜疾患や手術に取り組んでいます。
診療科の特色・主な検査
骨粗鬆症治療中の患者さんへ
骨粗鬆症治療に非常に有効なお薬であるビスホスホネート製剤やデノスマブ投与中の患者さんは、抜歯など骨に刺激を与える観血的手術を行う際に、骨髄炎や腐骨形成といった合併症の予防に十分な注意が必要です。
当科では、整形外科をはじめ各処方科との連携により、このようなお薬を投与中の患者さんの治療を安全かつ迅速に行っております。
また、新たに投与予定の患者さんは、事前に歯科検診を行い、安全の確保に努めてまいります。
周術期口腔機能管理(口腔ケア)をおこなっています
全身麻酔手術の際、お口の中を不潔にしていると術後肺炎や創部の二次感染を引き起こす恐れがあります。また、グラグラの歯があると歯が抜けたりする場合もあります。当科では、手術に際しこのような合併症を防ぐため術前術後の口腔ケアを積極的に行っています。
悪性腫瘍治療中の患者さんの口腔合併症予防
抗がん剤や放射線治療の影響による口内炎や口腔粘膜炎、口腔乾燥、味覚障害、舌の不快な症状の予防ならびに定期管理・早期治療を行うことにより、お口の中の機能の維持・回復を図っております。
「血液サラサラのお薬」内服中の患者さんの歯科治療
いわゆる「血液サラサラのお薬」といわれる抗凝固剤(ワーファリン®など)や抗血小板薬(プラビックス®、バイアスピリン®など)等血栓を防止するお薬を内服中の患者さんは、そのまま抜歯すると血が止まらなくなり危険な状態を招く恐れがありますが、安易にお薬を中断するとさらなる危険な事態を招く恐れがあります。
当科では、こういった重要なお薬を一時中断することなく、止血のための装置や専門的処置により、抜歯をはじめとする小手術を安全に行っております。
日帰り手術のご案内
基礎疾患をお持ちの患者さんの抜歯をはじめとする口腔外科小手術を日帰りで行います。
通常の外来処置では困難な有病者の観血的治療を、モニター管理や点滴ルート確保のうえ専門のスタッフで安全かつ短期的に行うことが可能です。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんへ
当院では内科との連携により、睡眠時無呼吸症候群治療用のマウスピースの作製、メンテナンスを行っています。比較的軽症の患者さん、CPAP(シーパップ)治療が困難な患者さんで、内科医が有効と認めた患者さんが対象です。
診療に際し徹底した感染対策を実施しています
歯科治療時に出る飛沫から患者さんと診療室の環境を守るため、歯科用吸引装置(口腔外バキューム)をいち早く導入し、新型コロナウイルス感染対策を実施しています。
※初診の際にはかならず「お薬手帳」をご持参ください。
医師紹介
歯科口腔外科部長
大和 雄二(やまと ゆうじ)
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所属学会
日本口腔外科学会 | |
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日本有病者歯科医療学会 |