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泌尿器科

泌尿器科は一時、外来のみの診療としておりましたが、元産業医科大学准教授の濵砂良一医師が平成29年10月より部長として転任し、外来だけでなく、入院患者さんの診療も再開いたしました。現在、医師3名体制で診療を行っており、外来は月曜日から金曜日の午前中に毎日行っております。
週3日は午後から手術を行い、腹腔鏡手術、内視鏡手術を積極的に行っております。また、尿が出ない、血尿が出た、陰部の痛みがあるなど泌尿器科の救急にも対応できるようにしております。

お知らせ

 近年、膀胱炎や腎盂腎炎の原因として薬剤耐性細菌が原因となることがあり、治療が難しい症例があります。

 繰り返す膀胱炎や前立腺炎などの症例や性感染症を専門的に診察し、治療を行う「泌尿器科感染症外来」を2019年4月から開設しております。また、近年、尿道炎や子宮頚管炎の原因である淋菌やMycoplasma genitalium(マイコプラズマ・ジェニタリウム)感染症の薬剤耐性が増加しており、世界的な問題となっております。泌尿器科部長の濵砂医師は、これら泌尿器科に関連する感染症を産業医科大学に勤務している時から研究し、治療を行っています。特に困難な症例は、火曜日の午後(PM1:30~3:00)に予約制にて診察いたします。なお、性感染症の一部の診療は、産業医科大学泌尿器科と連携して行います。

 勃起障害(ED)や男性更年期障害といった男性機能障害に対しても、専門外来を2023年6月より開設いたしました。これらの疾患は、精神的な部分も含め、非常にプライベートな問題を含んでおり、一般外来では対応できないことがあります。生田医師が対応しておりますので、水曜日の午後(PM1:30~3:00)に予約制にて診察いたします。

新しい前立腺肥大症の治療(経尿道的前立腺つり上げ術:ウロリフト)を開始いたしました。

前立腺肥大症とその治療法

 前立腺肥大症は男性の病気で、前立腺が大きくなり、尿道を狭くすることによっておこる疾患です。症状は、排尿困難、尿勢の低下、残尿感、頻尿、夜間頻尿など(表1)悪化すると尿閉になり、放置すると水腎症(腎臓が腫れること)や腎不全になることがあります。

表1:前立腺肥大症の症状

排尿困難 尿が出にくい。排尿までに時間がかかる。排尿に時間がかかる。
尿勢の低下 尿線が細く、ちょろちょろと勢いがない。
残尿感 排尿後にも尿が残った感じがする。
頻尿 排尿間隔が短い。何度も尿に行く。
夜間頻尿 睡眠中に排尿のために起きる。
尿閉 尿が出なくなること。

 前立腺肥大症の治療は、大きく保存的治療、薬物治療、手術療法に分けられ、多くの患者さんは内服薬による治療が行われております。しかし、内服薬では満足できる排尿状態にならない場合や、尿閉となった患者さんに対しては、手術療法がおこなわれております。手術療法には経尿道的前立腺切除術(TUR-P)、経尿道的前立腺核出術(TUEB)、ホルニウムレーザー前立腺切除術(HOLEP)、レーザー前立腺蒸散術(PVP)、組織内レーザー凝固術、経尿道的マイクロ波高温度治療術が行われ、巨大な前立腺に対しては、開腹手術が行われております。当院ではこれまで、世界標準手術である経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を行っており、良好な治療経過を示していると考えております。しかし、超高齢者や抗凝固薬や抗血小板薬(いわゆる血液サラサラになる薬です)を使用している患者さんや、長時間の麻酔が困難な患者さんでは、手術にかなりのリスクがあり、手術ができない患者さんもおられます。

経尿道的前立腺つり上げ術(ウロリフト)

 当院泌尿器科では、202312月より経尿道的前立腺つり上げ術(urolift:ウロリフト)を開始しました。ウロリフトとは、前立腺の中に、小型のインプラントを埋め込み、肥大した前立腺を持ち上げて尿道を広げ、排尿しやすくする治療法です。前立腺肥大症の根本的治療にはなりませんが、短時間での治療が可能であり、前立腺組織の切開、切除、加熱などが不要であり、体に負担の少ない手術法となります。我が国の保険では、他の手術療法が困難な症例に対する治療法として承認されておりますが、性機能が温存されることも注目されております。

【治療方法】
ウロリフト図1.jpg

  1. 経尿道的に、デリバリーデバイスを挿入し、前立腺を観察します。
  2. デリバリーシステムから送りだすニードルを介して、小型のデバイスを前立腺の左右に埋め込み、尿道の閉塞の原因となっている前立腺を圧迫し、閉塞を解除します。
  3. 原因となる閉塞を解除することにより、迅速に排尿障害の症状の緩和を目指します。

当院でのウロリフトの適用と注意点

 当院では、内服治療を行っても排尿障害が改善しない症例を対象といたします。したがって、前立腺肥大症の初期治療としてのウロリフトは、しばらくの間は見合わせます。
 原則、麻酔下での治療(脊椎麻酔または全身麻酔)となりますので、最低3日間の入院を基本とします(症例により変わります)。
 ウロリフト後、約1日間尿道カテーテルを留置します。
 すべての前立腺肥大症が対象になるわけではありません。ウロリフトの適応の決定は、膀胱尿道鏡および経直腸的前立腺エコーなどによって行います。
 巨大な前立腺肥大症は適応外です(おおむね80mLまでとしております)。
 重症の糖尿病の患者さんや、麻酔がかけられない状態の心疾患、肺疾患や全身疾患は適用外となります。
 ウロリフトでも十分な症状改善がない場合には、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を行うことがあります。

ウロリフトの合併症

 合併症の多くは、尿意切迫感、排尿時違和感、頻尿が多いのですが、多くは2~4週間以内に改善するといわれております。これまで、骨盤内血腫など重大な合併症が報告されております。

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  • 尿失禁
  • 尿意切迫感
  • 排尿時痛・排尿時違和感
  • 頻尿・夜間頻尿
  • 肉眼的血尿
  • 骨盤痛
  • 尿路感染症
  • 結石付着  など

費用など

 本治療法は医療保険が適用されます。インプラントそのものは高額であるため、高額療養制度が利用可能です。

医師紹介

副院長 兼 泌尿器科部長
濵砂 良一(はますな りょういち)

濵砂良一先生の写真

所属学会

日本泌尿器科学会 専門医 指導医 代議員
日本性感染症学会 認定医 理事
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医 評議員
日本感染症学会 インフェクションコントロールドクター 西日本支部理事
日本泌尿器科内視鏡学会 泌尿器科腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会 内視鏡技術認定医(泌尿器腹腔鏡手術)
日本環境感染学会
日本ウイルス学会


生田 弘文(いくた ひろふみ)

生田弘文先生の写真

所属学会

日本泌尿器科学会 専門医
日本性機能学会


野間 悠太朗(のま ゆうたろう)

外園幸司先生の写真

所属学会

日本泌尿器科学会

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