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治療方針の例

治療方針の例として、肺癌と気胸、そして肺気腫について説明します。

肺癌の治療方針

胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術

従来の肺癌の手術は、背中から脇腹へ約30cmの大きな傷をつけ、肋骨を1本切断して行いますが、当院では胸腔鏡(細長いテレビカメラ)を補助に使って、3~5cm程度の傷が1ヶ所、1.5cm程度の傷が2ヶ所だけで手術します。
これにより術後の傷の痛みがかなり軽減し、退院までの全身の回復期間も早く済むようになりました。
当科は開設以来、そのほとんどを内視鏡手術で行ってきました。このように書くと肺がんの場合、早期症例しか手術していないように考えられるかもしれませんが、進行肺がんも全て内視鏡手術で行っています。肋間を拡げずに摘出できるもの(腫瘍径6センチ以下)であれば、内視鏡手術を積極的に行っています。肺がんの手術の際に行うリンパ節郭清も内視鏡手術で十分可能です。一般に、内視鏡手術の良い適応は末梢型肺がん(心臓から離れた、肺の末梢にできたがん)ですが、中心型肺がん(心臓に近い、肺門部にできたがん)も内視鏡で手術しています。

気胸「肺がパンクして(虚脱)縮んでしまい、息苦しくなる病気」

重症度 重症度の判定基準 気胸の治療方針
軽症 胸部レントゲン写真上、肺の虚脱が鎖骨上縁以上 安静もしくは穿刺・脱気
中等症 胸部レントゲン写真上、肺の虚脱が鎖骨上縁以下~中肺野 胸腔ドレナージもしくは手術
重症 胸部レントゲン写真上、肺の虚脱が中肺野以下~緊張性気胸 胸腔ドレナージもしくは手術

胸腔ドレナージ

胸腔ドレナージとは、胸の中の肺臓から漏れ出た空気が貯まっている場所に管を入れ、器械により持続的に漏れ出る空気を排除する事により、虚脱した肺を膨らませる治療法のことです。
他に何も病気がない若年者では、4~7日間の持続胸腔ドレナージ治療をする事で、パンクした所の穴にかさぶたがついて軽快します。
他に糖尿病などの病気を持っている場合や、高齢者の場合には、若年者の治療期間以上の治療期間が必要な事があります。

気胸

穴の開いている肺嚢胞の写真

※穴の開いている肺嚢胞

気胸は、肺の表面にできた小さな空気の風船(肺嚢胞)がパンクして肺の外に空気が漏れ出し、胸郭の中に空気がたまり、その空気により肺が押しつぶされてしまう病気です。
胸痛や呼吸困難を伴います。胸腔ドレナージ治療により症状は軽快し、そのまま治癒することもありますが、パンクした肺嚢胞は残っているので、40~50%の方は再発します。
また気胸を発症した場合、反対側の肺にも肺嚢胞がある場合が多く、左右両方で気胸が発生した場合、呼吸ができなくなり生命に関わる可能性もありますので、根本的にパンクし易い肺嚢胞を切除することが手術の目的です。
手術後の再発は2~5%に減らすことができると言われています。術後に再発する原因は新たに肺嚢胞ができる場合が多いようです。

気胸「肺がパンクして(虚脱)縮んでしまい、息苦しくなる病気」

肺気腫

肺気腫は、タバコ、環境汚染などが原因で肺の微細な構造が壊れ、肺の中の空気を吐き出しにくくなり、肺全体が膨らんだままの状態になる病気です。
肺は膨らんだままではガス交換の機能を果たさず、そのため呼吸困難の症状がでてきます。膨らんだ肺が心臓や横隔膜(呼吸筋)など、肺の周りの柔らかい臓器を圧迫するため、不整脈や食欲不振などの症状がみられることもあります。
肺の大きさを小さくして楽に呼吸筋を動かせるようにするのが手術の目的です。実際には、検査で空気のためこみが、よりひどい部分をあらかじめ調べておき、切除部分とします。
手術後、呼吸筋がしっかり働くように、手術前後の呼吸リハビリテーションにより呼吸筋を鍛えます。

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